* (これが ”じぶん”だ)
―chapter2より、鏡を調べたときのメッセージ
チャプター1、2ラストシーンの奇行で多くのプレイヤーをヒヤリとさせたデルタルーンの主人公クリス。
チャプター3ではテナたちからクリスの過去の情報がもたらされ、さらには黒幕との怪しい関係も明らかになりました。
チャプター4では感情を表現する機会が一段と増え、キャラクターの解像度が上がったと言えます。
クリスは、前作UNDERTALEの操作キャラであるフリスクが「無色透明」であったのとは対照的に、好みや性格、過去の出来事をはじめとしたバックグラウンドがはっきりと存在し、さらにはプレイヤーによる操作を自覚をしているように見えます。これは、他のゲームの主人公にはない特徴です。
当記事では、そんな個性豊かな主人公クリスの情報をwiki風にまとめました。
ざっくり解説 | クリスの基本情報
デルタルーンの主人公で、ホームタウンに住むニンゲンのティーンエイジャー。育ての母トリエルと暮らしている。無口でいたずら好きの性格。
闇の世界では、スージィたちとともにライトナーと呼ばれる。世界を救う伝説の勇者の一人とされ、闇の泉を封印する力を持つ。
リーダーとして、仲間に指示する。得物は剣。

チャプター4時点でプレイヤーが直接操作できる唯一のキャラクター。プレイヤーはクリスの身体に宿る赤いタマシイを介してクリスを動かすことができる。クリスはプレイヤーとは独立した自我を持つが、行動の主導権はプレイヤーにある。
クリスは、特定のシーンでプレイヤーの操作を受け付けず、タマシイを勝手に取り出す。タマシイが取り出された状態では、プレイヤーはクリスを操作できない。
クリスにだけ見える光で回復とセーブができる。初回にセーブをするときに限り、プレイヤーはクリスのセーブデータに上書きすることになる。
作中での活躍
チャプター1
ある日の学校で、クリスは不良の女の子スージィとチョークを取りに倉庫に行くことになった。そこで突如現れた闇の世界に落ちてしまう。
闇の世界では、闇の国の王子ラルセイや東の城の王子ランサーとの出会い、牢屋からの脱出を経て、スージィやラルセイとともに東の泉を支配する王の討伐を成し遂げ、無事元の世界に戻ることができた。
冒険を終えると元の世界は夕方になっていた。クリスとスージィは明日もまた会う約束をしてそれぞれの家へ帰る。
その日の深夜、突如ベッドから飛び起きたクリスは、おぼつかない足取りで部屋の中央へと歩き、自分の体からタマシイを抉り出して鳥かごに投げ入れる。(取り出されたハートは鳥かご内で操作可能。)
その後、おもむろにナイフを取り出して、前作のSPルートエンディングのキャラを彷彿とさせる光る赤い目と、殺人鬼じみた笑みをこちらへ向ける。

チャプター2
クリスの突拍子もない行動に一体どうなったのかと思われたが、何事もなく次の日を迎え、チャプター2が幕を開ける。
本章ではパソコンルームが闇の世界に変貌しており、スージィたちや闇の世界に巻き込まれてしまったノエルと冒険することに。一行はパソコンルームの闇の世界、サイバーワールドを統べるクイーンに打ち勝って泉の封印に成功した。
光の世界ではこの日、スージィを家に泊めることになった。トリエルとスージィがパイ作りに取り掛かるあいだ、クリスはバスルームに手を洗いに行く。
水を流し始めた直後、突然脱力し、タマシイを抉り出してシンクの棚にぶち込む。そして窓を開け、そのまま外に出てしまう。どこへ行ったとも知れないままにしばらくして戻り、タマシイを身体に埋め込んでリビングへ。
クリスとスージィが寝入ったあと、トリエルは自宅の周囲をうろつく不審者の目撃情報と、車のタイヤに付けられたナイフの跡を警察に通報する。

トリエルも眠りについたのとき、ソファから起き上がったクリスは、またもやタマシイを取り出して、今度はなんとリビングにナイフを突き立て闇の泉を生成。

テレビには歯をむき出して不気味な笑みを浮かべる謎の顔が浮かび上がっている…。
チャプター3
冒険の舞台は、前章でクリスが生成した闇の世界、TVワールド。ダークナーやアイテムなどはテレビ番組とクリスの家にあるものが元になっている。
クリスたちがテナの暴走を止めた矢先、何者かがテナを破壊したうえ、闇の世界へ巻き込まれたトリエルにも危害を加えようとした。この人物こそが咆哮の騎士だった。
騎士との戦いに敗北したのち、騎士はその場に現れたアンダインを連れて光の世界へ飛び出してゆく。クリスとスージィの必死の追跡もむなしく、アンダインはシェルターに閉じ込められてしまった。
スージィが闇の泉のもとへ向かった直後、クリスの目の前でシェルターの扉が空いてチャプター3は幕を閉じる。
チャプター4
アンダイン救出に向け、シェルターを開ける暗号の手がかりを集めるクリスとスージィ。
手がかりの一つがノエルの家にあると推測した二人は、一緒に宿題をする口実を作り上げてノエルの家に行った。
ノエルが探し物をしている隙にディスのギターを触ろうとしたクリスは、突然タマシイを取り出して、収納室のプレゼント箱に投げ入れた。
プレイヤーが通気孔を通してタマシイをキッチンへ移動させると、そこには謎の人物と通話中のクリスの姿が。
タマシイがディスの部屋のギターに触れようとすると、クリスはタマシイにモノを投げつけて妨害。まさにそのとき、クリスを探してディスの部屋に入ってきたスージィとノエルは談笑をしはじめた。クリスは慌ててタマシイとギターを抱えたままクローゼットに閉じこもる。
プレイヤーがタマシイを操作しギターの弦に触れると、クリスはタマシイを身体にもどし、何事もなかったかのように二人の元へ出ていった。
暗号の手がかりにあと一歩のところで届かなかったクリスとスージィは、トリエルから家の鍵をもらうため教会へ向かう。
教会は闇の世界(闇の聖域)に変化していた。クリスたちは、駆けつけたラルセイとともに冒険する。
聖域には予言が書かれたいくつものガラスが現れた。
勇者に言及する予言も存在し、おそらくクリスを指していると思われる予言は「1人めの勇者 人間の魂と部位を収めた籠」だった。

闇の泉を封印したクリスは、深夜となった雨上がりの街を抜けてスージィとともにクリスの家へ戻る。するとそこでは、酔っ払ったトリエルがサンズとはしゃいでいた。
クリスは眼前の光景に目を背け、スージィは自分の家に帰っていった。
二階へ向かうと画面が暗転。下階から響くレコード音にベッドの上で耳をふさぐクリス。(タマシイは鳥かごにしっかりと閉じ込められている。)
そのとき、家の外からスージィの予言を変える決意の言葉が聞こえてくる。
窓からスージィの元へ向かおうとするクリスだが、ケータイのスピーカーから謎の人物による「クリス…」「わすれな…」「やくそくを」 とのメッセージが届く。
クリスの見た目
光の世界
イエロートーンの肌とダークブラウンのボブヘア。長い前髪の影に目が隠れている。
プレイヤーにはいつも無表情に見えるが、クリスと会話する他のキャラクターのセリフから、表情による感情表現はしていることがわかる。
緑と黄色のボーダーの長袖のシャツ、焦げ茶のズボンを履いている。
闇の世界
青い肌、髪色に変化。騎士を思わせるコスチュームを身にまとい、左肩にピンクと紫のスカーフを身に着けている。
闇の世界に飛び込むシーンで、一瞬だけ赤い左目が映る。
クリスの性格
無口で引っ込み思案
クリスは他者と積極的に交流することを好まない内向的な性格のようである。
チャプター1でノエルに話しかけるといつもはこんなにおしゃべりしないのにどうしたのかと心配される。
ノエル
「クリス きょうは どうしたの?」
「いつもは こんなに… おしゃべり しないのに。」
「あ ちがうの! ヘンだって いってる わけじゃないよ…?」
「…」
「だいじょうぶ? どこか…ヘンなの…?」
チャプター2でトリエルに友達(スージィ)と一緒にいると伝えると、2日連続は新記録と言われる。
トリエル
「まだ おともだちと いっしょ…?」
「まあ! 2日つづけて!? しんきろくじゃない!」
チャプター2ラストで、スージィを家に残して外出しようとしたときにスージィから「引っ込み思案」が発動したのかと言われる。

いたずら好き
ノエル以外に対するいたずら
トリエルのチョコレートを盗み食いする。
以前自宅のトイレにシュワシュワ入浴剤を入れたことがある。チャプター2で通信デバイスを調べると、シュワシュワ入浴剤を投げ入れようかと思ったと表示される。
幼少期のクリスはノエルの家の電飾にからまり、ルーディに怒鳴られた経験がある。
ノエルへのいたずら
幼い頃のクリスはノエルにいたずらをして、ディスに殴られていたようだ。

- ケチャップをうでに塗って血が出たと嘘をついてからかった
- エッグノグをマヨネーズとすり替えた
- ぶるどっ君は子供を食べると言って怖がらせた
- ベッドの下に隠れて驚かした
- ノエルは幼いころ、無理やりクリスと観覧車に乗せられ、何も喋らずに窓を見ていたクリスに突然ゴンドラを揺らされた
- ノエルの部屋の机を調べると、選択肢を出さずに勝手にエンピツを持ち出す
変わった子と思われている
チャプター2最初のアルフィーの発言から。
トリエル
「…それで? クリスの ようすは どうかしら?」
(中略)
「なにか… ようすが おかしかったりは しない?」
アルフィー
「はは…は… ううん そんなことは…」
(中略)
「* べ…べつに フツーだよ。」
トリエル
「そう それを きいて あんしんしたわ。 じつは さいきん…」
「* すこし しんぱい していたから。」
アルフィー
「* (「さいきん」? まえからじゃなくて?)」
サイバーワールドの交互に踏むスイッチのエリアでのノエルの回想から。
ノエル
「(クリスがヘンなコなのは みんな知ってるのに!)」
チャプター1,2で図書館の本を調べると図書館の本を舐めた。
「 (ほんが ある) (ページを なめた…) (おいしい!)」
「(これが 『フレーバーテキスト』 というものだろう)」
スージィが同行しているときに本棚を調べると、スージィに「としょかんの ほんは みんなの もんだぜ。」と窘められる。
チャプター3の1回目のテナ戦では、クリスはミニゲームの演奏を拒否し、テナに「ハハッ!たしかに! フツーじゃなかったですね!!」と挑発された。
チャプター4の楽譜を入手するイベントで、ラルセイにスージィが何をしているか想像するように促されたとき、拒否して騎士について考えることができる。
イメージの中の騎士が兜を脱ごうとすると、あわててジョッキントンやテミーのイメージで塗り替えようとし、目を開ければいいことに気づく。
人間関係以外に対してもローエネルギー
宿題は自発的に取り組むタイプではなく、ノエルやトリエルに手伝ってもらっている。
クリスはアズリエルと自室を共有している。
アズリエルのベッドのまわり(左)は物が多く、トロフィーなども並んているが、クリスのベッドのまわり(右)はがらんとしている。
一方、興味があること(ピアノ、ゲーム)には一心不乱に取り組んでいたようだ。
普通の繊細さ
年長者からイタズラを怒られても暖簾に腕押しのクリスだが、普通の10代らしい繊細さも備えている。
チャプター2でサンズのコンビニで車の雑誌を手に取りたいが周囲の目が気になる。
チャプター4ではクリスの個性がさらに際立っている。
サボテンを表現する言葉として「ツンデレ」を使うのを恥ずかしがる。
ディスのクローゼットでタマシイの妨害を試みている最中、クローゼットの外のノエルとスージィがクリスの噂話をするとクリスの頭に「!」の表示が現れ、スージィに口説くのがうまいと言われると頬を赤く染めた。

闇の聖域封印後、闇の世界を生成するのに適したとがったものを探すスージィにナイフを差し出したとき、なんでこんなものを持っているのかと言われ、顔を赤らめた。
クリスの人間関係
| トリエル | 育ての母 |
| アズリエル | 兄 |
| アズゴア | 育ての父 |
| スージィ | 仲間、クラスメイト |
| ラルセイ | 仲間 |
| ランサー | 味方 |
| ノエル | 仲間、お隣さん、幼馴染、クラスメイト |
| バードリー | 味方、クラスメイト |
| アルフィー | 担任の先生 |
| 咆哮の騎士 | 不明(協力関係?) |
家族との関係
トリエルのPCの壁紙にクリスとアズリエルの写真が設定されている。写真の撮影年から、8年以上前にトリエルのもとに迎え入れられたものと思われる。
両親どちらとも仲がよい。ふたりとも、実子だと思われるアズリエルと差別せずにクリスに愛情を注いでいる。しかし、トリエルとアズゴアの不仲のため、アズゴアとは別居している。
トリエルは、かつて図書館から、ニンゲンを育てるモンスターに向けて書かれた「にんげんの おせわの しかた」という本を何度も借りていた。
QCダイナーにアズリエルとふたりで通っていたり、ネットが落ちるまではビデオ通話で連絡を取り合っていたり、幼い頃にはお料理番組を一緒に実況したりと、アズリエルと親しくしていた。
町の人々との関係
ホームタウンで唯一のニンゲン。クリスの身体はクリス以外の住民(モンスター)とつくりが全く違うものの、町の人は暖かく受け入れている。
スージィとの関係
仲間になるまでスージィからいじめられていた。一方、クリスにはいじめられている自覚がなかったうえ、他のクラスメートと違ってスージィを恐れていなかったように見える。(ノエルのブログより)
チャプター1でスージィ&ランサーとの戦闘前に戦闘をするか、しないか選択肢が提示される。
カーソルを動かしていないのに「やめよう」の選択肢が一瞬黄色くなることから、スージィ&ランサーとの戦闘を避けたいのがクリスの本心だと考えられる。

キング戦で攻撃を受けそうになったスージィを即座にかばった。
スパムトン撃破後、恐怖心を落ち着かせようとスージィにハグをねだる。
チャプター3で、冒険や友達なんか夢だと寂しげに語るスージィに反応すると、スージィはもっと早く友達になっておくべきだったと言った。
チャプター4ではジュースをお互いに流し込みあったり、よそ行きの服を一緒に脱ぎ捨てたり、ノエルの家のおやつプレートをスージィの足を持って草刈り機を動かすようにスージィに食べさせたり、二人して悪ガキらしさを発揮した。
鏡を調べると次のように表示される。クリスがスージィにいかに強い信頼を寄せているかがわかる。
(うまく ことばに できないけれど スージィが となりに いるのを みると…)
(…じぶんが なんであろうと いまだけは だいじょうぶな きがした)
クリスの部屋では、スージィはクリスのベッドの周りがアズリエルのそれに比べてさみしいことに気づき、アズリエルの蓄光シールを奪ってクリスのベッドの上に貼り付けた。(「スージィ賞」授与)
ラルセイとの関係
初期のチャプターではクリスはラルセイのことをどう思っているかははっきりしなかった。
フレーバーティーの回復量から、知らない人以上、幼馴染で現在は疎遠になったクラスメートのノエル未満の好感度だったと思われる。
チャプター4でダークナーが感情を持っていいのかと悩むラルセイがクリスに意見を求めたとき、刺々しい選択肢をプレイヤーが選ぶと、クリスはあくびをしながら口に手を当ててしゃべり、ごまかした。
冒険を通じてクリスの気持ちに変化があり、ラルセイを気にかけるようになったと思われる。
一方、ラルセイはクリスに対して初対面のときから好意的に接している。
ラルセイはゲームシステムに関するメタ発言をする。ラルセイはクリスの背後にいるプレイヤーを認識しているのか、クリスたちが自分たちのことをゲームの世界の住人だと知っている前提でメタ発言をしているのかは不明。
ラルセイはこれから起こる出来事やデルタルーンの世界の摂理を知っているため、後述するクリスと騎士の関係も承知している可能性がある。それでも、クリスには温かく接している。
ノエルとの関係
近所に住むノエルと幼なじみ。ルーディとアズゴアが大学の同級生で、かつては家族ぐるみでの付き合いがあった。
以前はアズリエル、ノエルの姉ディスを交えて遊んでいた。
ノエルいわく、「お互いのことを誰よりも知っている気がする。」
ノエル
「(ちっちゃいころから ずっと ご近所同士で…)」
「(いろんなことを いっしょに 経験してきたから…)」
「 (おたがいのこと だれよりも よくわかってる 気がするときもある)」
現在もクラスメートとしてノエルとの交流が続いている。ノエルは、クリスの忘れ物や宿題のフォローをしてあげている。以前のように一緒に遊ぶことはもう無いようだ。
Aルートでは、チャプター2の晩にクリスはノエルの元に駆けつけ、おかしな態度をとったことを謝罪し、ノエルの手からいばらの指輪を取り除いてあげた。
また、次に会ったときこのことをしゃべらないようにと釘を差した。
咆哮の騎士との関係
騎士との関係は判然としないが、クリスは騎士の打倒を目指すスージィやラルセイの仲間にもかかわらず、騎士を倒す意思がないように見える描写がある。
また、騎士もクリスに手加減しているように見える。
チャプター3、咆哮の騎士戦
- クリスが騎士に攻撃したとき、ダメージ量が明らかに少ない
- 騎士の攻撃で倒れたとき、スージィとラルセイはHPを-999まで減少させられるが、クリスは-80にとどまっている
- 騎士の特定の攻撃では、他の2人がダウンしない限りクリスは攻撃を受けない
- こうどう(「息を止める」)を2回すると、クリスはほほえむ
- ノーダメージで騎士戦の勝利条件を満たすと、「クリスは せきをした。 敵は ゆっくり 首をかしげた…」というテキストが表示される
- 騎士を倒したとき、スージィとラルセイは攻撃を受けて倒されるが、クリスは咆哮の騎士に対して跪くようなポーズをとって画面が暗転し、ダウンした
一方で、スージィやラルセイが倒れると、騎士への攻撃のダメージ量が大幅に増加する。
チャプター4
- 闇の聖域に到達した直後、騎士を追いかける展開になる。騎士の攻撃を切り抜けた場合、スージィに騎士に攻撃するよう促されるが、クリスは何もしない
- プレイヤーに騎士の正体を見せたくないと思われる描写がある
フレーバーティーの回復効果
| フレーバーのもとになったキャラ | 回復量 |
| スージィ | 120 |
| ラルセイ | 60 |
| ノエル | 70 |
サイバーシティで購入できるフレーバーティーの回復効果は、飲んだ人の、フレーバーのもとになったキャラに対する好感度を表しているのではないかと言われる。
ちなみに、関わりのほとんどないノエルのフレーバーティーをラルセイが飲んだときの回復量は50。
クリスが幼馴染のノエルのフレーバーティーを飲んだときは70回復なのに対して、ラルセイティーの回復量は60しかないため、クリスはラルセイに対して心理的な距離を感じている、あるいはラルセイに対して関心がないのではないかと言われている。
チャプター3以降、フレーバーティーは腐ってしまい、10回復で固定となる。
好み
チョコレート
トリエルのチョコレートを盗み食いしたほか、過去にアズリエルとQCダイナーに通っていたときホットチョコレートを注文していた。
闇の世界では、チョコダイヤの回復量が他のキャラより多い。
チャプター2でノエルにチョコダイヤを使用すると、ノエルはクリスに半分あげる。
チャプター4の光の世界でアズリエルのポケットから出てきた古びたチョコが闇の世界で変化したアイテムはクリスのHPを400も回復させる。
パイ
チャプター3で、クリスの一番好きな食べ物はトリエルの作るバタースコッチパイだと明らかになった。
クリスの好物を答えるクイズで、クリスは咳払いしてプレイヤーの操作なしにパイに選択肢にカーソルを持っていく。
チャプター2では、前日の晩にバタースコッチパイを一人ですべて平らげたことや、トリエルにパイの作り方を教わっていることが明らかになった。
ピアノ
普段はピアノが弾ける。ノエルのブログによると、ノエル家のピアノを何時間も弾いていたことがある。
「よいけんばんがほとんどない」にもかかわらず、病院のピアノをきれいな音で弾いていた。チャプター1では「ポロン…」としか弾かず、受付の女性にいつもはきれいな音なのに、と不思議がられていた。

チャプター4のノエルによると、クリスはかつて教会のオルガンを演奏していたらしい。
オルガンのパズルでは、スージィに促されてプレイヤーの操作を離れ、オルガンを演奏した。
ゲーム
ゲームが得意。
サイバーシティでクイーンとのボクシングゲームイベントで、筐体を横や裏から調べると、「こちら側からではプロ級ゲーミングスキルを発揮できない」とイキる。

ノエルのブログからもゲーマーとしてのスキルの高さがうかがえる。
物語が始まる以前に、スージィがクリスに向けてリンゴを投げつけたとき、クリスはゲームで鍛えた反射神経のおかげでリンゴをキャッチできた。
同じくゲーマーのバードリーと対戦し、バードリーを負かしていたと考えられる。
バードリー ここまで ガチギレするのは ゲームで 対戦するときぐらい。(※1)
バードリー
「クリスは チートしたんだ! 超絶低空空中緊急回避を やったときみたいに!」(※2)
ミズ・ブーム
(※1)バードリー戦で「しらべる」
(※2)クイーンの館
(※3)チャプター4で登場するカメの老女のモンスターによるセリフ。チャプター2でバードリーが言及したブームさんだと思われる。
ナイフ
チャプター2のクイーンの館でクリスはネットサーフィンで「超するどい 包丁 ゼリー」と検索していたことがわかる。
ポップアップ戦では、クリスが広告をクリックすると、ランダムで「動画『スパゲティでナイフを 作る方法』」の広告を うっかりクリックした。」と表示される。
チャプター4では、スージィが闇の泉を作るために尖ったものを探しているとき、恥ずかしそうにポケットからナイフを取り出した。
人を傷つける目的や護身のためではなく趣味でナイフを持ち歩いていると考えられる。
冒険
光の世界でポケットから見つかる「ゴミのかたまり」は、捨ててしまうと次のチャプターの闇の世界で持ち物が消失してしまうことから、冒険で手に入れたアイテムが変化したものと思われる。
使用するとうっとりと眺めるため、冒険を心の底から楽しんでいることが伺える。

チャプター4では気安く武器を捨てることができないと表示され、ゴミのかたまりを捨てることはできなくなった。
車
サンズの店で車の雑誌を発見して興奮する。ちなみに、アズゴアは経済的に苦しいのにも関わらず車のカタログを持っていた。
リンゴの香り
バスルームにりんごのかおりのシャンプーと、4Lのペット用シャンプーが置いてある。
学校の教室で、スージィはクリス後ろの席のため、リンゴの香りが漂ってきてうっとおしかったと言ったことから、リンゴのシャンプーはクリスが使っているとわかる。

サボテン
チャプター3テナの伝説で、ヒントをくれるピピンズに、上の階のサボテンはクリスのことが好きだと言われる。
サーベル10(現実世界でのサボテン)をもらえるカーテンを調べると、「 (…キミ…ケガをしていないか ちゃんと 診てもらった…?)」と表示される。闇の世界は作り手(TVワールドはクリス)によって異なると言われている。
楽屋のサボテンの一方を調べると、お気に入りのサボテンのレプリカと表示される。
コケ
チャプター2でノエルとコケを見つけた場合、ノエルはクリスが嬉しそうにしていると指摘する。
チャプター4でコケを見つけると、コケはさぞうまそうに消費されたとコメントがある。
その他の特記事項
クリスとシェルターの扉
ホームタウンの南には頑丈そうな赤い扉が設置されている。
扉にはカギがかかっていて、扉の前に立つと不気味なBGMが流れる。
このBGMは、ノエルの家の地下室や闇の世界でケータイを使ったときの音と同じと思われる。
チャプター2でシェルターの扉に向かうと、モンスターキッドとライちゃんがクリスとシェルターの扉について噂話をしていた。
シェルターの中に恐ろしい何かが潜んでいること、クリスはシェルターに関して何らかのトラブルに巻き込まれた可能性があることを仄めかしている。
チャプター3のテナの元のゲームで、シェルター付近を再現した場所からシェルターの扉に近づくと、クリス本体がプレイヤーの入力に抵抗する様子を見せた。
チャプター3のラストシーンで、アンダインが連れて行かれたシェルターの扉が開いたものの、アンダインは閉じ込められたままで、クリスも無事だった。扉が空いたのを見て慌てて逃げる様子もなかった。
ガラス=シャドウジェムをかざして見えるもの
| チャプター1 闇の世界 | カルタス城→空き教室 |
| チャプター1 光の世界 | クリスの手が透けて見える |
| チャプター2 闇の世界 | サイバーワールド→パソコンルーム |
| チャプター2 光の世界 | スージィが冷たいまなざしで睨んでいる |
| チャプター3 | テレビがバラバラに壊される |
| チャプター3 未使用テキスト | 氷漬けになったアンダイン |
| チャプター4 光の世界 | ノエルの家→ノエルがささやいている |
| チャプター4 闇の世界 | 予言→文字がゆがむ |
クリスの身体のつくり
ニンゲンであるクリスは、怪我をすると血を流す。
クリスのタマシイ
チュートリアルで、ラルセイはタマシイには「意志」「思いやり」「世界の命運」が詰まっていると説明した。
普段はクリスの身体に埋め込まれているタマシイだが、クリスは自由に取り出すことができ、それによってプレイヤーの操作から逃れることができる。
タマシイは基本的に、鳥かごや棚などに閉じ込められているとその場から動くことはできない。しかし、チャプター4のAルートでは、選択肢を選ぶときにメッセージウィンドウへハートが現れるのを利用して、ノエルの部屋の通気孔のカバーを乗り越え部屋へワープした。
チャプター4でのディスの押し入れのイベントや、Aルートのゴミ箱を蹴り飛ばすイベントから、タマシイが物理的なダメージを受けるとクリスのHPも減少すると思われる。
タマシイの周囲の状況をプレイヤーは認識できるが、調べるなどのコマンドは使えない。
また、タマシイを取り出したクリスの行動や周囲の状況を知ることは不可能。
チャプター4通常ルートでは、タマシイは天使の人形に憑依した。
チャプター4、謎の人物との電話によれば、クリスはタマシイなしでは闇の世界に入ることができないらしい。
クリスの手
なぜか手にまつわる描写が多い。
ガラスを使うと手が透けて見えた、チャプター3のボールマシンに1225ポイント投入したときのイベントでは手が見つからなかったと表示される。
チャプター4のクリスを指していると思われる予言では、手がハートを取り囲んでいる奇妙な絵が描かれている。
様子がおかしいという証言
何人ものキャラクターが最近のクリスは様子がおかしいことを指摘している。
基本的にはプレイヤーの介入のせいだと考えられるが、物語開始より前にもクリスの身に何かが起こっていたのかはわからない。
チャプター1では、病院の受付とトリエルが、クリスの具合が悪そう、顔色が悪いと発言。
ノエルは選択肢によってはいつもはこんなにおしゃべりしないのに変だと指摘した。
チャプター2では、ゴミのオーブを持って学校の入口へ向かうと、トリエルとアルフィーの話声が聞こえる。トリエルは最近クリスの様子が変だと心配していた。
トリエル
「なにか… ようすが おかしかったりは しない?」
チャプター4ではアルビンがクリスの様子の変化を指摘している。
アルビン
「 …? クリス… ちかごろの きみに なにが おきているのか わたしは しるよしもありません… でも…」
ネットの検索履歴
クイーン館のクリスの部屋でネットの検索履歴を知ることができる。
diy シュワシュワ 入浴剤

以前トイレにシュワシュワ入浴剤を入れてトリエルに怒られたことがある。
クイーン館のクリスの部屋右上のホーン(上の画像の青いモノ)を調べると、「 (シュワシュワ入浴剤を 投げ入れようかと思った。が そんな ことをやっている場合ではない)」とメッセージする。
超するどい 包丁 ゼリー
ナイフへの興味に関連していると思われる。
夏休み 大学 いつ
アズリエルが戻ってくる日を調べていたと思われる。
ピアノ ゲーム チュートリアル
クリスはピアノを好んで弾くものの、自宅にはピアノがない。
ピアノ ゲーム チュートリエル
ドット絵のトリエルがピアノにチューしている。おそらく上の検索項目の誤字。
原版ではtutorielとなっていて、ピアノを弾くトリエルが2セット(two Toriels)置かれている。
ラルセイの城のクリスの部屋にあるもの
- 「ていねいなつくり」のベッド
- トロフィーがたくさん飾ってある棚。光の世界のアズリエルの棚を彷彿とさせる
- マニュアルスタンド。チャプター1でマニュアルを投げ捨てた場合はゴミ箱
- ありとあらゆる服がぎっしり詰まっていてなんでも着放題のクロゼット
- 装飾用のおいしそうなコケ(カルタス城牢屋でコケを食べた場合)
- ぶるどっ君のような置物(クイーンの館のノエルの部屋で回収した場合)

自宅の部屋にある鳥かごとカーペットのシミはない。
ステータスや称号
ステータス
闇の世界(初期値)
| LV | HP | こうげき | ぼうぎょ | まりょく | ガッツ |
| 1 | 90 | 10 | 2 | 0 | 1 |
| 2 | 120 | 12 | 2 | 0 | 2 |
| 3 | 160 | 14 | 2 | 0 | 2 |
| 4 | 200 | 17 | 2 | 0 | 3 |
敵を全く倒していなくても、次のチャプターではレベルとステータスが上がっている。
ホームタウン
| LV | HP | AT | DF | EXP | NEXT |
| 1 | 20 | 10(武器による) | 10(0) | 0 | 10 |
闇の世界でステータスが上昇しても、光の世界では変化なし。
一方、光の世界でダメージを受けると、受けたダメージ量に応じてキャッスルタウンに到着したときのHPが減る場合がある。
称号
| ニンゲン(Lv1) | ニンゲンのタマシイを宿した体。 | はじまりの闇の世界到達直後 |
| リーダー(Lv1) | いろんな「こうどう」で仲間をリード。 | |
| ベッドボス(Lv1) | なぜかベッドを調べまくる。 | ハーティ部屋のベッドをすべて調べる |
| コマンダー(Lv2) | 「こうどう」で仲間をときどきリード。 | |
| ベッドボス(Lv2) | なぜかベッドを調べまくる。 | |
| コケゲッター(Lv2) | ベーシックなコケ発見能力。 | 信号機エリア右下でコケを食べる(通常ルート) |
| リーダー(Lv2) | リードする。 | Gルート(Aルート) |
| コマンダー(LV3) | 「こうどう」で仲間 をリード。 | |
| ディレクター(LV3) | 芸人たちを 動かす。 | コケを食べていない状態でエントランスへ |
| コケミステリ(LV3) | 中級レベルの コケスキル。 | ラウンド2でコケを食べる |
| ブレイダー(LV3) | ソードこうげきの マスター。 | テナの元のゲーム砂漠のステージをクリア |
| 氷ブレイダー(LV3) | ソードこうげきの マスター。 | テナの元のゲーム島のステージをクリア |
| ソードケース(Lv3) | ソードに近づくと 呼吸が速くなる。 | シャドウマント取得 |
| (LV3)エンジョイ | ヤング ライフ。 | タマゴを入手する |
| DKヒーロー(LV4) | 刃を携え 宿命をなす。 | |
| コケMAX(LV4) | シットリ度 MAXの コケを堪能。 | コケを食べる |
| DKビーズ(LV4) | こわれて取れた。 でも外れていない。 | Aルート継続 |
こうどう
闇の世界ではクリス以外のプレイアブルキャラクターは魔法を使えるが、クリスだけ魔法が使えない。
チャプター1の戦闘画面での「こうどう」の説明は、「いろんなことをする。まほうではない。」。
チャプター2では、「いろんなことができる。まほうとは まったく別の力。」。
なぜかこうどうは魔法ではないと強調されている。
まほうは使えない代わりに、他の味方と連携してより効果の高いこうどうを発動できる。
クリスの性別
クリスの性別は明言されていない。
一人称は「じぶん」または「クリス」。
クリスという人名は男性にも女性にも使われる。例えば、クリストファー(男性名)、クリスティーン(女性名)の愛称の一つがクリス。
英語版では三人称がthey/them。they/themは性別を指定しない人称として、主にノンバイナリーの人が周囲に向けて自身に言及するときこれを使ってほしいと表明する場合がある。
ホームタウンの他の住人は、見た目では男女の区別がつきにくいものの、多くは口調や人称から性別がはっきりとわかることが多い。性別を特定できる要素がないクリスはノンバイナリー(自分自身を男性にも女性にも当てはまらないと考えている)と思われる。
トビー氏が出演したゲームプレイの配信で、共演者がクリスをheと表したとき、トビー氏はtheyと訂正したらしい。
一方、日本語の特性上、三人称の代名詞を使う機会は英語に比べると格段に少なく、クリスも三人称の代名詞で言及されることがない上、一人称も性別を特定しないものが使われている。
前作UNDERTALEのニンゲンとの関係
ここでは、前作主人公を「フリスク(Pルートで明らかになる名前)」、最初に落ちてきたニンゲンを「キャラ」と呼ぶこととする。
名前の由来?
クリスの名前は前作の操作キャラであるフリスク、あるいはフリスクに加えて最初に落ちてきたニンゲンであるキャラの名前をもじっていると考えられる。
Frisk→Kris
あるいは
Chara + Frisk → Chris → Kris
好み
キャラと同様にナイフに執着する。また、チョコレートを好む。
見た目
肌や髪の色はフリスクに似ている。
闇の世界で騎士の姿になったときに身につけているスカーフのカラートーンがフリスクの服と同じ。
赤く光る眼はUNDERTALEのSPルートのキャラを彷彿とさせる。
出自
キャラと同じく、トリエルとアズリエルに養子として迎えられていた。兄のアズリエルとも仲が良い。
ステータス
ホームタウンでの最大HPは20、Lvは1で、フリスクと同じ。
キャラとクリスのポーズが似ている
キャラがアンダーテールのアズリエルに救助されているシーンと、クリスがタマシイを取り出すシーンのポーズがよく似ていることが話題になった。
クリスにまつわるウワサ話
チャプター4まで配信されている現時点では、ストーリーの背景情報がゲーム中に断片的に散りばめられています。
膨大なセリフ、映像、音楽から意味のある情報をすくい上げるのは至難の業です。
そのため、とうしても考察というよりは空想に近いものになってしまいます。
本節では、読みづらくなることを避けるために「〜らしい」という表現はできる限り使わないようにしています。
断定口調が多くなりますが、ここに書かれていることはあくまでも解釈の一つであることに留意してください。
ストーリーの進行で誤りに気づいたときは訂正し、削除します。
ここからは筆者による恣意的な解釈が増えるため、興味がなければ読み飛ばしてください。
タマシイ(プレイヤー)をどう思っているか
通常ルート:邪魔ではあるが利用せざるを得ない
チャプター4で、何らかの目的でクリスは闇の泉に入らなければならないが、そのためにはタマシイが必要だと判明した。一方で、プレイヤーを嫌っているように見えるシーンがある。
チャプター1のラストシーンでは、タマシイを取り出して、ナイフを掲げながらプレイヤーを威嚇するように見つめていた。
プレイヤーの選択や行動によっては、会話をしている相手や行動を共にしている仲間が、クリスが怒っているような、あるいは悲しそうな表情をしていることを指摘している。
チャプター2のスパムトンNEO戦の後、スージィに声をかけられて何かにおびえている様子を見せた。
プレイヤーに操作されているクリスは、「操り人形」「自由」という言葉に反応していたのではないか、との見方がある。
この解釈を取らずとも、現実を超えた存在に動かされ、意思表示を制限されているために強い苦痛を感じていることは想像に難くない。
チャプター4で鳥かごを調べると、スージィは鳥かなんかを飼っていたのかと尋ねる。クリスは「(鳥)かなんか」の部分でうなずいていた。
Aルート:強い憎しみを抱いている
チャプター2
チャプター2の時点では、パズルでノエルをおいていこうとしたときにパズルの方を振り返るくらいで、他には特に反応はしていないように見える。
ただし、スパムトンNEO戦で仲間を呼ぶとき、「小さな声」でノエルを呼んだため、クリスはノエルに助けを求めるのは本意ではないと推測できる。
チャプター4
チャプター4のノエルと二人で会話するシーンでは、チャプター2でバスルームから脱走したあと、プレイヤーの蛮行の尻拭いをしていたことが明らかになった。
チャプター4でタマシイを取り出したのは、プレイヤーが自身を介してノエルに危害を加えることを恐れての安全対策だろう。
運悪くタマシイが憑依したあとは、自由には動かない体を無理やり動かそうとして、ノエルを守ろうとする。それでもプレイヤーが裏ルートを続けると、バスルームでタマシイを取り出し、ゴミ箱に投げ入れ、敵意をむき出しにして何度も蹴り飛ばす。
ノエルを「壊した」プレイヤーに対し、激しい憎悪を抱いている。
Aルートを継続すると、クリスは闇の世界や帰還後の世界で病的とも言えるような攻撃的な行動をとるようになる。ノエルだけでなく、洗脳の代理人に仕立て上げられたクリスの心まで破壊されてしまった。
クリスの抱える心の闇、精神的不安定さ
自分の趣味に没頭し、イタズラ好きで人目を気にせず振る舞うクリスは、あまりストレスをためがちな性格には見えない。
ただし、仮にもともとのクリスが能天気な性格であったとしても、現在のクリスは精神的に過酷な環境に置かれており、強いストレスを感じている可能性がある。
得体の知れない存在に操られている
プレイヤーはクリスがタマシイを宿しているときに、クリスを動かしたり、周囲を調べたり、選択肢を選んだりできる。
プレイヤーの行動や選択肢によっては、話の文脈からずれた不愉快そうなクリスの表情やふるまいに、同行している相手や会話相手が怪訝そうな反応を示す場面がいくつもある。
クリスの意に反した選択肢をプレイヤーが入力してもクリスはその通りに動かざるを得ず、強烈なフラストレーションが溜まっていると考えられる。(特に、チャプター4のAルート)
理想と現実の差
クリスは自室をアズリエルと共有している。ところ狭しとトロフィーが並び、蓄光シールでキラキラにデコレーションされたアズリエルのベッド周りとは逆に、クリスのベッドの周りはさみしい。棚はすっからかん。

キャッスルタウンのクリスの部屋には、アズリエルの棚のようにトロフィーが並んでいる。
スージィやランサーは自分の部屋を見て喜んでいたが、クリスの部屋もクリスの願望を反映して作られたものなのだろうか。それとも、ラルセイのおせっかいで設置されただけなのだろうか。

人間関係の苦しみ 家庭環境の複雑さ
かつてはホリデー家の子供たちやアズリエルと遊んだり、キャッティと一緒にオカルトの研究をしていたようだが、物語のはじめの時点ではクリスには一緒に遊ぶ友達はいなかったようだ。
家庭環境も複雑で、両親が別居している。父親のアズゴアは一家で暮らしたいと望んでいるが、母トリエルがアズゴアのことを嫌っている。アズゴアは警察署長を免職処分になっている。
仲が良かったと思われるアズリエルは大学に行っているためあまり会うことができない。
トリエルはクリスをかわいがる一方で、アズリエルとベッドの周りの差を気にかけなかったり、クリスになじみのないサンズを家に連れて子どもじみた振る舞いをしたあげく夜遅くまで戻って来なかったクリスを心配しなかったりと無神経な一面がある。
人間関係の苦しみ 騎士とスージィとラルセイ
クリスと騎士の関係ははっきりしないが、チャプター3、4では、前述のとおり、クリスは騎士と協力関係にあるような描写があった。
騎士の正体を知っていることを仄めかすテキストが存在した。
また、謎の人物との通話から、クリスは来週アンダインが生贄になることを知っている。
一方のスージィは仲間には隠し事をするべきでないという信念を抱いている。
スージィにとって、クリスは騎士を倒し世界を救う大志を共有する仲間である。
クリスは騎士にまつわる情報を知っているのにスージィたちにそれを隠しており、あまつさえ騎士に協力しているような態度を取る。
今後、何かのきっかけでクリスと騎士の協力関係が明確になると、クリスは仲間、特にスージィとの関係に深刻なビビが入る可能性がある。
クリスはスージィを大切な友達と思っており、スージィを傷つけるようなことはしたくないはずである。
そのため、クリスは騎士とスージィたちの板挟みになって苦しんでいる可能性がある。
「ニンゲンの おせわの しかた」
図書館の本、「ニンゲンの おせわの しかた」に記載された、見知らぬ人間の写真を見て急いで本を閉じる。トリエルがこの本を何度も借りていたことを知ったクリスの心情はどうなのだろう。


自分以外の人間を見たときはどのように感じたのだろう。
自分が町で唯一の人間ということを改めて自覚し、疎外感を抱いたのだろうか。
町のみんなと「違い」
幼いころトリエルにもらったツノのカチューシャを何か月もつけていた。
ツノが生えてくることは決してないと悟ったとき、つまり自分の体はみんなとは異質だと意識したとき、クリスはどのように感じたのだろうか。現実を素直に受け止めたのか、それとも…。

クリスの一人称
クリスはチャプター3までは「じぶん」を一人称としていた。チャプター4では「じぶん」のほかに「クリス」を一人称として使うようになった。
もしも、今後クリスがプレイヤーの手から離れて自分の言葉を喋るようになったとすると、一人称が「じぶん」のままだと少々不自然かもしれない。
まとめ
チャプター1クリア時点では、クリスがタマシイを取り出したのは、プレイヤーの操作から逃れたいと思っているからだと予想し、もしかしたら最終章でクリスがラスボスになる展開もありうるのかな…と空想していました。
しかし、チャプター2では取り出したタマシイを自発的に体に戻していたので、プレイヤーから逃れたいという予想は見当違いだとわかりました。
さらに、チャプター3、4では騎士との内通を疑わせるような行動や怪しい人物とのやり取りが繰り広げられ、クリスの複雑な事情も伺えました。
予想を裏切る展開が待ち受けているからこそ、少ない手がかりから想像を広げたり、みんなの考察を読んだりするのが楽しいのだと思います。
ところで、アンダーテールに特徴的な要素といえば、登場キャラクターがプレイヤーに直接語りかけてくるメタ的な演出でした。デルタルーンもアンダーテールと違った形でプレイヤーに画面の前の自分を意識させる仕掛けが施されているものと思われます。
アンダーテールで仕掛けを動かしていたのはフラウィやキャラ、サンズたちですが、ゲームでの言動や、前作主人公には見られない個性の強さから、今作ではクリスがその役割の一端を引き受けているのかも知れません。



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