暴言を吐いたりするわけではないのに、なぜかイライラする苦手な人の特徴を掘り下げてみた。
悪い人じゃないのに面倒と思われる人は、社会性に欠いていて、無自覚に他人に嫌われる言動をしている。いわゆる、悪意のない悪。
なぜ、あの人の不機嫌に振り回されるのか? フキハラの正体 (ディスカヴァー携書)
さりげなく自慢話をする
自分の功績や特技、特別な体験について一方的に語る。
本人にマウンティングをしている自覚は1ミリもない。単なる情報共有や話題の提供のつもり。
一方で、当人は自分の自慢話を雄弁に語っている最中には不思議な高揚感を覚えている。
(つまり、本人にとっては、これが今自分は自慢話をしているかも、と内省できるチャンスと言える。が、自分の不適切な発言に気付くことはまれ。)
自慢話を延々と聞かされる相手の相槌のトーンや表情の変化から、向こうが内心不快に思っていると推察することができない。
なお、自慢話には自信のなさの隙間を埋めるように湧き上がってくる性質もある。これも無意識の心のはたらきなので、当人が自信のなさを自覚することは不可能。
人の話を聞かない
自慢話に花を咲かせる人は、だいたい話が長い。「私のターン!!」が延々と続き、相手に発言権のバトンを渡そうとしない。
自慢話する/人の話を聞かない人に共通すること
自己顕示欲が強く、自分の世界にだけ関心があり、会話相手を無意識に透明人間として扱っている。
相手が自己開示してもその話題を続けようとすることはなく、返事の主語はほとんど「私」「自分」である。
終わりなき自慢話を展開する人同士が会話する場合、外から聞いている人は二人の会話に奇異な感じをおぼえるが、当人同士には何の問題も起こらない。
互いに気持ちよくおしゃべりできて、win-winの関係となる。
プライベートな情報を根掘り葉掘り聞く
人間には情報を知りたい欲求がある。無意識に、その欲求を満たすために相手を利用する。
詮索好きの人が意識の上で相手と「仲良くなりたい」と思っていても、相手は個人情報を聞きだして噂話のネタにするのではないか?と警戒する。
参考:人はなぜうわさ話がやめられないのか? | GIGEZINE
自分を過度に卑下する
過度に自分を下げると、相手は反応に困ってしまう。「そんなことない」「元気を出して」と繰り返さなければならず、ストレスを感じることになる。
そもそも失敗談は一緒に笑い飛ばせばいいのか、慰めればいいのか判断が難しく、相手の思考エネルギーを奪ってしまう。
一方的に評価する
言った当人は相手を褒めているつもりで、当然悪意は全くない。
しかし、言われた側の立場だとどうだろう。社会では基本的に、評価は上の立場の人間が下の立場の人間につけるものだ。
点数をつける側は「評価」の社会的な意味がわかっていない。
知識として頭に入っていたとしても、実際のコミュニケーションに適用できなければ何の意味もない。
アマゾンや食べログでレビューを読んだり書いたりすることに慣れきっている私たちの中には何でもかんでも評価付けすることに違和感を持たない人もいる。
しかし、そういう態度はコミュニケーションの場では不適切だと認識しなければならない。
(もちろん、商品レビューするときも生産者やサービス提供者に敬意を払わなければならない。)
アドバイスしたがる人
人の話を聞かないタイプと評価するタイプのハイブリッド。
相手に会話のネタとして深刻でない悩みや愚痴を投げられたとき、自分の経験談を語ったり、知識をひけらかしたりする。
相手は共感を求めているのに、それが分からず、「マジレス」トーンで投げ返してしまう。
結果として、アドバイスしたがる人は、コミュニケーションもまともに取れない、上から目線で説教する人とみなされることになる。
過剰に気を遣う人
気を遣いすぎる人、たとえばごめんなさいを連発する人は、かえって相手に気を遣わせてしまう。いわゆる、パッシブアグレッシブネス(受動攻撃性)に似た特性である。
「この人は繊細だから気をつけて会話しないと…」と無駄なエネルギーを相手に消費させてしまう。
普通であれば気を遣うのはあまり親しくない相手である。
つまり、いつまでたっても気を遣う人は、相手に「私とは仲良くしたくないのかな」と思わせてしまう。
ちなみに、これを逆手に取って、勝手にこちらをライバル視して嫌がらせをしてくる相手を黙らせることが可能。
過剰に慇懃に対応することで、相手は無視されているように感じ、嫌がらせを諦める場合があるのだ。
何をお願いしても断らない人、何を言っても否定しない人
本音をほとんど言わない人は、相手にしてみれば何を考えているか分からない人物てある。
不信感が生まれる上、「本心をを察してあげないと」と無言のプレッシャーをかけられているように感じる。
沈黙を極端に嫌う人
会話が途切れると気まずいのは確かである。
しかし、話題がないのに無理に話題をひねり出そうとすると、却って相手に会話を続けるプレッシャーをかけてしまう。
結果として、場に一層重苦しい空気が流れることに。
まとめと余談
薄っすらと嫌われる人の特徴として以下を挙げた。
- 自慢話が多い人
- 人の話を聞かない人
- 自分を過度に卑下する人
- 求めてもいないのに評価する人
- アドバイスしたがる人
- 過剰に気を遣う人
- 何をお願いしても断らない人、何を言っても否定しない人
- 沈黙を極端に嫌う人
相手の反応から相手が不快に思っていることを推察する能力がない。
だから嫌われている自覚も持てないし、問題点をいつまでも認識できないのだ。
仮に問題点に気づけても、適切なふるまいがわからないため、結局いつまで経っても他人を不愉快にさせるままである。
端的に言い表すとすれば、「社会性が欠けている人」「無神経な人」「悪意のない悪」「無意識のクズ」が適切だろうか。
余談
ここまで書いてきたのは、すべて自分の特徴である。
私は自閉症を抱えており、障害者向け作業所に通っていた。
自分と同じ自閉症の人も多く、社会性の欠如という自閉症の症状が周囲に負担をかけてある実態が具体的に見えてきた。
同時に、私がこれまでいろいろな人に嫌われてきた理由がよく理解できた。
先程書いた結論を引用すると、
- 相手の反応から相手が不快に思っていることを推察する能力がない
- だから嫌われている自覚も持てないし、問題点をいつまでも認識できない
- 仮に問題点に気づけても、適切なふるまいがわからないため、結局いつまで経っても他人を不愉快にさせる
このうち②の「問題点の認識」はクリアしているが、依然として相手の考えていることを察する能力はないし、無難な振る舞い方も身につかなかった。
現在は社会とのつながりを断っている。これにより、他人に嫌われる状況はなくなった。



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