私は、幼少期からときどき、心を灰色のもやで包んだような、原因のわからないさみしさ、所在なさを感じて生きてきました。大きくなってから病院にかかるようになり、人生の半分くらいを心の病気と闘いながらも命を繋いでこれました。
そんな自分の経験から、本当に動けない日を可能な限り意味のある一日にする「作戦」を紹介します。
今回は朝の過ごし方について。
身体には鉛の重りをのせらせているようで、気分の方は苦しい一日が繰り返される絶望感に満ちた朝。
そんな、布団から出るのもギリギリ、という朝をどのように乗り越えていけばいいでしょうか。
無理はしない
朝の光がかえって気分を滅入らせ、起き上がることもできないような、メンタルの限界を感じる朝は無理をするべきではありません。
そんなときは、エネルギーの回復に向けて休息を取るのが一番。
休むのも仕事のうちだとポジティブに捉えます。
このときに必要な努力は、何も手につかなくても、罪悪感は持たないことです。
動ける範囲で動いてみる
限界とまでは言えないけど、起きるのが億劫な場合は、朝起きてからやることを細かく砕いて、ハードルの低い行動から挑戦してみます。

起き上がる
上体を起こし、軽く伸びをします。
体が鉛のように感じて布団から出られそうにないときは、布団に座ることができないか試してみます。
スマホをチェックする
スマホでショート動画やニュースなどをチェックします。
長くみているとぬるいお湯に浸かっているようにスマホから目を離すことができなくなるので、可能なら次のステップへ進みます。
カーテンを開ける(電気をつける)
体内時計は朝の光を浴びることでリセットされます。
網膜にあるセンサーが光を感知することで、代謝などに関わる特定の遺伝子のスイッチが切り替わり、体が睡眠モードから活動できる状態にスタンバイされるのです。
電気をつけるのでもよいですが、可能ならカーテンを開けてみましょう。
曇りの日であっても、電気の明かりよりも太陽光のほうがずっと明るいです。
水を飲む
コップ一杯の水を飲むのがよいです。
水を飲んで胃腸に刺激を送ることで、胃腸が活動モードになり、食欲がわきやすくなります。
また、寝ている間に汗として失われてしまった水分をとりもどすことができます。
手軽に食べられる朝食をとる
準備の手間の少ない朝食を摂ります。
パン、バナナ、カロリーメイトのようなエネルギー補給ができるスナック菓子など、取り出してすぐに食べられる食料がおすすめです。
着替える
着るものを選ぶ作業はかなりエネルギーを必要とします。
そのため、特に辛い朝に備えて、晩に次の日に着る服を用意しておくのがよいです。洗濯して取り込んだ部屋着は、タンスにしまわず、ベッドの側に置いておきます。
散歩する
散歩をすることで、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンや、やる気を引き起こすドーパミンといった脳内物質が分泌されます。逆に、ストレスホルモンであるコルチゾールは低下し、気分が安定します。
もちろん、体を動かすことで筋力が衰えてしまうのも防ぐことができ、メリットだらけです。
小さな忍耐の積み重ねが明るい未来をつくる

気分が塞いで辛い、けれど休むのは気が引ける。そんなときには、今、何をすれば未来の自分が喜ぶだろうか?と考えるようにしています。
本当にしんどくて、布団から起き上がるのもやっとなときに無理をして動くと、反動で次の日には涙がとまらなくなったり、ひどい思考にとりつかれてしまうこともありました。
一方で、休息が「惰性」になってしまうと、いざ気分が上を向いてきて活動しようとしようとしたときに、膨大な精神エネルギーが必要になってしまいます。
そのため、動ける範囲で動いてみることは大事です。
小さな忍耐の積み重ねが、今よりもほんの少し楽に生きられる未来を切り開いてくれるはずです。
無理をしているか、休息を取りすぎているかはどう判断すればいい?
体調の記録をつけてみることをおすすめします。
短い日記を書くことで、体調の波をとらえやすくなります。
- 5日
- やる気が起きず、ほとんど寝て過ごした。
- 6日
- 野菜の水やりをした。ブログ記事を1セクション書いた。昨日より気分はスッキリしていた。
- 7日
- 朝、体がだるく、起きるのが遅かった。昼すぎまで寝たり起きたりを繰り返して、午後から動けるようになった。
昨日と比べて今日は調子がよくないから、リフレッシュに努めよう。今日は昨日より気分が上を向いているから、今のペースを保ち、昨日やったことのプラスアルファができるようにがんばってみよう、と行動の指針を立てやすくなります。
まとめ | 未来につながる選択をする
憂鬱や無気力は自分のコントロールの効かないところで心を乗っ取ってしまいます。しかし、今を基準として、楽に生きることは努力や運次第で可能です。
未来につながる選択。それは、ある朝は休息かもしれないし、べつの朝は少しの努力かもしれません。
自分の体調を把握しつつ、無理のない範囲で今できる精一杯のことをやれば、たとえ体が思うように動かなくても明日につながる一日だったと思えるはずです。



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